「早期教育」に取組んだものの後悔したという話を聞いたことはありませんか?
早期教育を実施する際に、後悔しないためのポイントをお伝えいたします。
わが子のために良かれと思った早期教育がむしろ子どものためにならなかった…とならないために、子どもの健全な成長をサポートできるようにしてあげて下さい。
早期教育の効果
「早期教育」に熱心の親御さんが多く、週に何日も子どもたちが学習塾や何らかの習い事に通ったり、家庭での教育に時間を割いているのは珍しい話ではありません。
「今やらないと、子どもが苦労する」「豊かな生活をさせてあげたい」と言う思いから、子どもの能力を伸ばすべく焦っている状況です。
その一方、幼少期からスポーツ、塾、英会話、音楽など複数の習い事をした子が精神的に追い詰められて、原因不明のめまいや痛み、摂食障害などで病院に行ったり、不登校になるというケースも増えています。また、勉強が嫌いになってしまったという子も増加しています。
周囲の子が早期教育を始めているのを見たり、SNSの情報などから遅れを取ってはいけない!と不安になっているところに、早期教育で効果が出たという体験談を目にすると早期教育に駆り立てられることでしょう。
以下は、早期教育についてのTwitterに見られた意見です。
早期教育に取り組むことが周りで多く見られるものの、その効果に疑問も持ちつつやらないでもいられないという方が多いように思います。
私の従兄は、東大理系主席卒業、塾無し、地方公立高だけど、幼い頃から家で頭が良い両親が英才教育施していたし、
私の幼馴染で、兄弟どちらも東大、姉妹どちらも旧帝大医学部の人、ピグマリオンor公文→浜とか、どちらも早期教育してたよ😅
関西特有なのかな??— ジュエ👧💎🐈ママ💁♀️💉💉✨ (@jewelry_mama2) December 12, 2021
例えば土曜日の運動会終了の午後、公文やスイミング、ピアノのレッスンを休ませることのない保護者がほとんど。
保育料無償化は、乳幼児の保護者の任意のおけいこ、早期教育教室の受講に拍車をかけたと言う印象は否めない。それは、園で保育時間内に英語や知育教室を取り入れたところで止まないだろう
— nssk (@yuuummy) October 10, 2021
まぁなんやかんや言うても賢い人ほど幼少期何もやってないよってのはマイノリティなので。
子供が楽しけりゃなんでもええやろ。早期教育でもなんでもやったったらええねん。— 里緒@2026中受組 小2♂年長♀ (@rio_gift_iq) December 12, 2021
地頭は鍛えられない
足が生まれつき速い
絶対音感とかと同じ類で
努力しても超えられない壁東大は成長した後で受けるので
努力とかテクニックで何とかなるけど
筑駒とか開成は
成長前の子供が受けるので
持って生まれた潜在能力で戦わなければいけない
それを早期教育で何とかしようとしても難しい— スラニコ∭中受の勉強を詰め込みにしない伴走メソッド (@surasura2525) December 15, 2021
早期教育がホットな話題ぽいが、人や家庭環境によるが、やったことは成績に直結はしなくてもいつかどこかに影響は与えると思う。人間生きてて、努力と成果が直結なんてなかなかないことはわかるはず。いいと思う早期教育はすればいいし、反対ならやらなきゃいい。他の人への否定はいらない
— ミリ (@millillion) December 15, 2021
モヤモヤと考えたことを言語化すると、①生来の賢さの差には抗いきれないことを前提に、②無理して早期教育・知育を始める必要は全くないし、③親が子供に過度な期待をかけることも避けた方がいいけれど、④それでも子供の持つ力を信じて伸ばせるよう頑張ろうというのは、全部両立する話なんですよね。 https://t.co/tGZRNHx0YY
— まいまい (@chuju25) December 12, 2021
実際、早期教育は勉強でも芸術系、スポーツ系の習いごとも工夫された教材やプログラムに基づいていて、ある一定の効果はあります。他の子よりも早く文字が読めるようになったり、計算ができるようになったりという力はつきます。
けれども、いずれみんなに追いつかれて、特に素質のある子や熱心に取り組んでいる子に抜かれてしまうのです。圧倒的多数の人は、無理やり知識を詰め込まれるような早期教育のお勉強には効果はないのです。
では、早い時期から取り組んで意味のある教育はあるのか?というとあります。
それが「非認知能力」です。こちらも、教育熱心な方ならすでにご存じの言葉だと思います。
どうせ教育を行うなら、意味のある教育を行っていくために非認知能力について次に説明をしていきます。
非認知能力を伸ばす教育
認知能力は、学力やIQなどのように点数などで数値化できる能力。非認知能力は学力やIQ以外の能力です。
非認知能力は、数値化されない能力で子どもの将来や人生を豊かにする力として、近年教育分野で世界的に注目されています。(意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーションといった能力です)
学術研究によって、非認知能力の高さが学歴や雇用、収入に影響することが明らかになっています。
この非認知能力を伸ばすには、何かに夢中になっている様子があったら、それをやらせてあげることです。
親が望むようなものでないかもしれませんし、価値のなさそうなものでも放っておいてあげることが大切です。
好きなことは、集中力を高めます。
子どもがもっとも集中できるのは、遊びです。
遊ぶことを子どもに強制することはできません。自発的に動く経験を積むことで自発性も高めていきます。
また、子ども同士で思いきり遊ぶことは、コミュニケーション力を高めます。
このように、遊ぶことで色々な能力を自然に身につけていくのです。
机上では味わえないような実体験を積むこと。自分で考え、調べ、時には仲間と答えを導き出す学習方法を「アクティブラーニング」といいます。
将来、勉強や仕事をこなし、人間関係も上手くいって欲しいことを願うならば、ふだん子どもに遊ばせてあげましょう。
その中で、子どもが疑問に思ったり、文字や計算に興味を持った時には勉強道具を与えてあげるといいと思います。
たとえば、近くの公園に子どもと一緒に行った時に、「どんな虫がいるかな?」と聞いてみて、一緒に捕まえ方を考えてみる。捕まえた後に、一緒に図鑑で調べてみるなどそうした経験を積ませてあげてください。
この非認知能力の土台は3歳までに作られると言われています。
そして、この能力を幼い時に身につけることでそ、その影響が長く続くとも言われているのですが、だからと言って認知能力を伸ばさなくてもいいというわけではありません。
目に見える認知能力を高めることに関心が向きがちですので、どちらか一方に意識を置くよりも、非認知能力・認知能力を両方伸ばす意識を持つことが大切なのです。
非認知能力を伸ばしたいなら、認知能力も適切なタイミングで伸ばしていくようにしましょう。
早期教育の問題点と親が気をつけるべきこと
早期教育のデメリット
早期教育の問題点としては、主に3つのものがあります。
1.時間を取られすぎる
習いごとやプリントやドリルなどに子どもと親の時間が取られすぎて、本来伸ばすべき分野がおろそかになってしまう可能性があります。
結果的に、その時期に伸ばすべき発達が遅れてしまうという問題点があります。
幼い時に、友達と遊ぶ時間を充分に取れなかったり、自分の興味があるものに没頭する経験が少なかったことで、人間関係力が身につかなかったり、自己コントロール力や自発性が育たなかったりということもあります。
2.主体性が身につかない、学習意欲を阻害する
早期教育は、与えられた課題をこなしたり、先生からの知識や技術を伝えられるだけといったことも多く、子ども自身の主体性が身につかない可能性があります。
本来は、子どもは自らの発見したり、考えて判断したりすることで、主体的な学びをしていくものです。受け身の思考に慣れてしまうと、子どもは次第に自分で物事を考えたり、判断することがなくなってきます。
また、学校で習う知識を先取りして教えた場合は、もうすでに知っていることなので、学習意欲が欠けてしまうという子も多いのです。
3.精神的ストレスを与えてしまう
「よかれと思って」早期教育を行う親が、子どもに過度な負担となるような勉強やスポーツ、音楽、習い事などを続けさせることがあるかもしれません。
それによって、ストレスで子どもがノイローゼになったり、心身に何らかの身体の不調を訴えたりする「教育虐待」まで至っているケースは珍しくありません。
その熱心さを子どもが受け入れている場合もあるかもしれませんが、親の高い期待に答えて「良い子」であり続けているだけかもしれません。自我の形成が妨げられ、思春期以降に落ち込みやすかったり、自分が何をしていいかわからなくなってしまう、もしくは弱いものに当たってしまうようなことになることもあります。
親が気をつけるべきこと
早期教育を行う親が気をつけるべきことを2つ、お伝えいたします。
1.子ども自身が楽しんでいるかどうかを重視する
子ども自身が楽しんでいるかどうかを重視することが大切です。
早期教育は、子どもが成長するために行うものです。親の自己満足のためではないのです。
親が早期教育にハマり、「もっと早く、もっと正しく」と他の子どもと比べて、過度の期待を押しつけるようなことになってはなりません。受験などの将来を見据えて早期教育を行う場合でも、子どもの姿を観察したり、意見を聞いたりして、無理強いしないよう気をつけてください。
また、子どもが自主的に楽しんでいない場合、早期教育がストレスとなっている可能性があります。子どもが無意識に親の期待に応えなければとのプレッシャーをかけて、自分から楽しくないと言ってこない場合もあります。体調の異変などを起こすこともありますので、精神的な負担をかけていないかの注意も必要です。
子どもの様子を見ながら、伸び伸びと学べるように心掛けてください。
2.子どもの自主性を抑圧しない
子どもの自主性を尊重することも重要です。
幼児期は好奇心がいっぱいで、脳の成長速度も生涯で一番育つ時期です。
この大切な時期に、自分で考える力を伸ばすことで、子どもの才能や個性がどんどん伸びていくことができます。
自主性を尊重することでと、子どもは様々なものごとに対して積極的になります。逆に、親が「過干渉」をして、子どもの自主性を抑圧すると、子どもはどんどん受け身となるでしょう。
子どもの自主性や主体性を育てるためには、親は余計な口を挟んだり、世話を焼きすぎないこと。子どもの個性を認めて、無理やり型にはめるような言動や行動をしないように気をつけましょう。親の役目は、子どもが良い方向に行けるようなヒントを与えるところまでです。
あくまでも子どもの自主性を尊重し、子ども自身のペースに合わせて教育を行うことが大切です。
早期教育をより良い教育につなげるためには、子どもが自主的に学ぼうとする姿勢を親が伸ばしてあげることが重要です。何かに感動したり、何かを発見したら、子どもの目は輝いて、親と共有したいと思ってくれるものです。
また、失敗をしても決して怒ることなく、取り組んだことを評価してくれることで子どもは何ごとにも積極的にチャレンジできます。失敗することを恐れている子は新しいことに取り組むことに抵抗があります。
親との信頼関係が強く「どんなときでも自分を受け入れてくれる」実感を持てることで、子どもは自己肯定感が高まります。親は、子どもへの愛情を言葉やスキンシップで表してあげましょう。
早期教育を行うこと自体に問題があるわけではありません。
どの程度の時間や量をやっても良いのかは、個人差も大きいので、様子をよく観察をして、親子で楽しみながら取り組んでいけるといいですね。
早期教育で後悔することにならないように、非認知能力を伸ばすことも意識して、子供に考えさせ、自ら行動できるようにする環境を作ることも意識することをおすすめします。