「子どものIQが知りたいけれど調べ方は?」といった子供のIQについて調べ方やIQとは何か、テスト方法、どこで受けられるかについてお伝えいたします。
子どものIQテストは、2歳から受けられるものが多いです。幼児期のIQテストの結果はあくまでも目安として、子どもの力を伸ばすようにしてあげましょう。
IQとは何?
IQとは知能指数のこと
IQとは、英語の「Intelligence Quotient」からきている言葉で、日本語でいうと「知能指数」を指します。
IQは、知能検査のテスト結果を、同じ年齢の人と比べて相対的に数字として表したもの。
数値が高いと知能が高く、低いと知能が低いと言われます。
IQの平均は100で、70%近くの人がIQ85~115の間に位置します。IQ120以上で「すぐれている」とされ、130を超えると「非常に優れている」とされます。
知能はすべてが両親からの遺伝ではなく、生活環境などの影響も受け、変動すると言われています。
IQ(知能指数)とは、知能の発達を表した数値で以前は、以下の式で算出していました。
☆生活年齢は、生まれてから知能検査をした日まで、何歳何ヶ月であるかということ。
☆精神年齢は、精神年齢は知能年齢ともいわれ、知能検査の結果「〇歳〇か月レベルの問題が解けた」ということ。
例えば、3歳児が3歳の問題が解ける場合のIQは100。4歳児が3歳児の問題までしかできないとIQは75ということになります。
現在は、上の計算式ではなく、DIQ(偏差知能指数)で表すことが多くなりました。どちらも平均は100で、その数値が高いほど知能が高いことを表します。
IQと偏差値との違い
では、頭の良さをはかる言葉としてIQと偏差値にはどのような違いがあるのでしょうか?
- IQ(知能指数)は、思考力・判断力・理解力を数値化したもの
- 偏差値は、テストを受けた集団の中で自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値
をいいます。
IQは、学校などで勉強したものがどれだけ身についているかの学力をみるのではなく、個人がもともと持っている知能の高い低いのレベル「地頭のよしあし」をはかる数値ともいえます。
その数値の中央値は100で、分布としては、ほぼ(85–115)の間に約68%、(70–130)の間に約95%の人が収まるとされています。
高校受験や大学受験などでよく目にする「偏差値」は、現在のDIQの計算方法とほとんど同じです。
たとえば、全国規模のテストを受けて、英語が85点、数学が70点の結果に対して、どちらも偏差値が62.5だったということがあります。
これは、偏差値がそのテストの「平均点との差」と「得点のバラつき」を考慮したものだからです。偏差値は、平均点を偏差値50になるように変換し、その基準から自分がどれくらい高い(または低い)点数だったかを把握することのできる数値です。
子どものIQを知るにはどうやって調べるの?
幼児・児童の検査
正確なIQを調べるには、知能検査を受けます。知能検査にはいろいろなものがありますが、幼児から受けられるものとしては次の3つが有名です。
●田中・ビネー知能検査…満2歳から受験できる日本発の検査
●K-ABCⅡ…2歳6ヶ月からが対象の認知処理能力だけでなく基礎的学力を個別式で測定できる日本初の検査
●ウェクスラー児童用知能検査…満5歳から受験可能の世界で一番ポピュラーな検査
(幼児向けはWPPSI(ウィプシ)式検査か、児童向けはWISC(ウィスク)式検査)
知能検査は単なるぺーパーテストではなく、対面式で子どもの年齢にあった総合的な問題が出題されるのが一般的です。
画像:田研出版
幼児IQテストは、2歳から1歳ごとに2歳、3歳、4歳…とレベル分けがされています。
2歳6か月の子であれば、その子の成長によって2歳用では簡単すぎ、3歳では難しいとなってしまうかもしれないので、両方を受験してみる方が良いでしょう。
子どものIQテスト(知能検査)はどこで行う?
では、この知能検査は一体どこで受けられるのでしょうか。
- 学校教育に関わる公的機関(国立校など)
- 幼児教室や塾
- 病院関係、児童発達支援センターなど(発達障害用)
3.の病院などで受けるIQテストは、発達障害などを調べるためのものです。1.の公的機関のIQテストは、一部の国立などでないとなかなか機会はないでしょう。
もし、それ以外で知能テストを調べたいなら、幼児教室、学習塾などで申し込むこととなります。
幼児教室でのテスト
IQテストは、幼児教室で申し込み受けることができます。教室によってばらつきがありますが、費用は5,000~20,000円です。
IQテストを受けられる幼児教室は、一般財団法人田中教育研究所、マミーマイト幼児教室、NIS幼児教室、チャイルド・アイズ、ベビーパーク、幼児教室英才アカデミーなどです。
教室によっては、生徒や入会希望者でないと受けられないと決められている場合がありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
幼児の知能検査は、積み木や絵カードを用いた問題が多く、筆記問題タイプやおもちゃを使うタイプのテストもあります。
文字を読めない子どもの場合には、親がIQテストの問題文を読んだり、答えを子どもの代わりに言ったりすることは認められています
一般的には、講師と対面式でテストが行われます。
慣れない場所で緊張してしまったり、思うように実力を発揮できずに数値が低くなってしまうこともあるかもしれません。
特に幼児期は、テストを受けたときの子どもの調子で数字は大きく変動します。そうした場合は、繰り返し受けるのもよいでしょう。
WEB上で受けられる知能検査
専門機関で受けるほかに、オンラインで無料で知能検査を受けることもできます。
◆メンサのIQテスト
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、「メンサ」という国際的な高いIQの人のみが入れる組織があります。メンサは、人口の上位2%であれば誰でも入れるという世界100ヶ国以上、10万人以上の会員を持つグループです。
このメンサのノルウェー支部のサイトでIQテストを受けることができます。スウェーデン語で記載されていますが、図形問題のみなので解くことができると思います。
Mensa IQ test(https://www.mensa.se/provtestet/test)
◆知能診断チェックシート
教育デザイン研究所が、簡単に幼児の知能面の発達診断ができるようにと作成した「知能診断チェックシート」です。
幼児の生活の中での具体的な行動についての質問が30問あり、保護者がそれらの質問について、お子さまにあてはまるかどうかを、「はい」か「いいえ」かのどちらかで答えるものです。
2歳児、3歳児、4歳児、5歳児用のチェックシートがありますので、こちらのシートを活用することで、知能面での発達が、標準レベルに達しているかどうかを判断する一つの材料として使うことができます。
IQテスト結果の見方
IQの数値が高いと嬉しいですし、低いとガッカリすると思います。
ですが、IQはあくまでも「全体の中でどの位置にあるか」を示すもので、頭の良さを表す数値ではありません。
あくまでも「全体の中でどの位置にあるか」を示すものです。
知能は、記憶する、計算する、論理的に考える、抽象的に考える、問題解決するなど、さまざまな能力でできています。
もともと、知能検査は1905年、フランスでアルフレッド・ビネーとテオドール・シモンによって作成された「知能測定尺度(ビネー‐シモン法)」が始まりです。知的障害児を見分けるために、客観的なデータを示すのが目的でした。
その後改良を重ねた知能検査を数千人に行い「標準データ」が作成されて、検査結果数値を見るときの「ものさし」となるものが作られました。 IQは、検査を受けた人が、「標準データ」の中のどの位置にいるのかを数値で表したものです。
しかも、その数値は検査を受けたときの子どもの気分やその時にやる気があったのか、成長によっても変化する「幅のある」ものです。
テストの時の試験場や試験官が怖かったということもあるかもしれません。
こうしたその時々の要因の影響は、テストを受けた子どもの年齢が小さければ小さいほど大きくなって、その結果が変わってきてしまいます。
幼児のIQの結果は、一度出たものを絶対とはせずに何度かテストを受けて判断するようにしましょう。
IQテストの活かし方
知能検査は、子どもの能力の一部のみをテストしているものです。
知能検査という客観的な指標によって、子どもの得意・不得意や向き・不向き、発達障害の有無などが発見できます。
数字が高いから人間的に優れている、低いから劣っているということではありません。
あくまでも目安として考えて、子育てに取り入れるようにしてあげましょう。