「お受験対策」は、いつから始めたらいいか?
小学校受験をさせるご家庭が増えていますが、「お受験対策」としていつから勉強を始めたらいいかお悩みにお答えします。
多くの場合、塾(幼児教室)に通いますが、おうち学習で成功したお子さんもいらっしゃいます。
お受験対策をいつから始めたらよいのかについてお伝えいたします。
小学校受験対策、いつから始める?
多くは、年中の11月から
多くの家庭が年中の11月から、1年間かけて小学校入試の準備をしています。
ある幼児教室の調査によると、小学校受験をしたうちの9割以上の家庭が年中の秋までにスタートしていて、年長になってからのスタートは数%だったそうです。
大手の小学校受験対策塾では、年中の11月から「新年長」という名称で年中の子どもの募集をしています。
秋に受験を終えてしまうと年長さんは退塾してしまうので、年中の子を「新年長」として募集しているというわけです。
理由は、小学校の受験が毎年10月ごろから12月にかけて行われるからです。
そのため、お受験のための塾や幼児教室は11月を新学期としていることが多く、期間としては11月から1~2年間通うのが一般的とされています。
多くの塾で夏以降、新年長に向けた様々な無料説明会やセミナーが開催されています。
ご自分のお子様、ご家庭、に合ったお教室かどうかを体験授業を受けたり、個人面談をして確認しましょう。
遅くても、年長の11月から
ほとんどの塾・幼児教室では、年長からの1年間で完結するように、小学校受験のカリキュラムが組まれています。
ですから、年長から始めることは遅くはありません。
といっても、この時期になるまでに、小学校受験に向けて準備を全然してこなかった場合は、年長の1年間だけでは間に合わなくなる可能性があります。
日ごろから親子で楽しみながら季節や行事を学んだり、本の読み聞かせをしたりして、入試のために具体的な受験準備に1年ほどかけるといいでしょう。
早ければ、3歳から
できれば3歳くらいになったら子どもにどこの小学校を受験させるのかを具体的に決めるか、ある程度の的を絞っておいた方がいいでしょう。
具体的な学校が決まったら、お受験に向けた学習計画として、年少、年中、年長に分け、それぞれ1年間の学習計画を立てると対策が進めやすくなります。
幼児教室や塾に通わせるかどうかは、遅くとも年中までに決めておきましょう。人気の幼児教室の場合、年中以降のクラスは満席ですぐに通えないことがあります。
おうち学習と塾学習
お受験対策として、塾や幼児教室などに通うことを前提としてお話をしてきましたが、費用も決して安いわけではありません。
小学校受験に成功した親御さんの中には、塾や幼児教室に通わせてないケースも多くあります。
絵本の読み聞かせや、お手伝い、日常マナーのしつけ、自然体験など、おうちでできる受験対策もあります。また、ペーパー(プリント)対策用として、過去入試問題などが市販されており、多くの家庭が利用しています。
最近はノンペーパー試験を採用する学校が増え、「学力さえあれば大丈夫」という風潮は消えつつあり、日常の経験で培われる表現力・創造力・社交性も大切になっています。
塾や幼児教室に通うのは、集団生活を通して基本的な生活態度を学ばせたい、志望校対策をした学習をしたい、受験の情報が欲しいという場合は検討してみたらいいでしょう。
実際、3歳から塾に通わせて受験対策をしているご家庭と、5歳までは自宅学習をメインとして直前の受験対策を目的として模試や面接対策として塾を利用するご家庭は半々位です。
直前の受験対策としての塾の利用についてですが、小学校受験には行動観察や面接を重視している学校が多いため、家庭では対策をしづらく、対策している子としていない子では大きな差が出てしまいます。
適切な受験対策をしたうえで本番にのぞむことが重要です。
塾によっては志望校に合わせた最新の対策をしているところもあるため、お受験対策として、1年間だけでも塾の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
受験塾にかかる費用
受験対策の塾や幼児教室の費用は、実はかなり不透明です。
大手から個人の塾まで、様々な小学高受験の塾がありますが、ホームページを設置していないところもありますし、あっても料金の明示をしていないところもあります。資料請求をしたり、電話問い合わせをしないと金額を把握するのも難しいという部分もあります。
また、入会すると、毎月の授業料や教材費だけでなく、特別講習や学内外の模擬試験代など、想定していない費用が別途発生してくることは珍しいことではありません。
おおむねですが、入会金が5~10万円と、授業料として、週1回の授業で年少まで月2~5万円程度、年中で月3~6万円程度、年長になると月4~7万円程度かかるのが一般的です。
志望校によって、対策が必要となる分野も異なりますので、授業料だけで年間100万円超えることもあります。
志望校やご家庭の考えにあった具体的な金額を想定しておきつつ、少し予算のゆとりをもって準備をしておくようにしましょう。
お受験のメリット・デメリット
小学校受験を目指すことに踏み切る前に、そのメリット・デメリットを知っておくことが大切です。ご家庭によって、小学校受験は必要か、それとも意味がないのかをよく検討をしてから判断をしてみてください。
メリット
一番のメリットとしては、子どもの力を伸ばせるということです。将来のために、子どもの思考力や探求力を身につけていってもらいたい、また、忍耐力や協調性といった人間性を身につけて欲しいといった望みをかなえる手段となりうるのが小学校受験です。
1.基礎的な力や才能を伸ばすきっかけをなる
小学校受験のペーパーテストは、様々な出題をされますが、最近の受験で問われるのは知識の多い少ないではなく、基礎的な思考力や知能を問うことを目的としたものです。
受験の準備をすることで、小学校入学以降の強化学習の基礎となる思考力を身につけることができます。また、ペーパーテスト以外にも、工作のような課題製作したり、運動テストや集団の中での行動を観察するテストや口頭試問のように多様な試験があります。
こうした試験対策をすることで、わが子の意外な才能や得意を発見できるかもしれません。子どもの適性や才能を見極めて、伸ばす機会ともなるのが受験といえます。
2.親子の関わりが強くなる
小学校受験については、親の受験とも言われる位、親子の関わり方が合否に結び付きます。
先ほどもご紹介したようにペーパーテストだけではなく、子どもの「マナー」や「常識」を問われるような問題はふだんからのしつけや教育が行き届いているかが見られます。
お着かえができるか、お箸をちゃんと使えるか、どんなお手伝いをしているかなどの子どもの「自活力」も見られるので、ふだんの暮らしから意識していかなくてはいけません。
そうしたテスト対策と手の面だけでなく、テストに向かって自分のがんばりを応援してくれるのは子どもにとって大変嬉しいものです。受験という目標に向かって親子が協力する経験そのものが、家族の大きな財産となっていくことでしょう。
3.努力する心、強い心を育む
受験に向けての努力をすることで、「私ならできる」という自己肯定感が養われます。受験の対策は、楽しいもんばかりではなく、なかなかできないものもあることでしょう。それを乗り越えることができることで、強い心を育んでいくことができます。
デメリット
もっとも気をつけたいデメリットは親が必死になりすぎて、子どもが勉強キライとなることです。そのほか、受験を選んだことで心理的・経済的な「負担」も出てくる可能性があります。
1.勉強が嫌いになる
子ども自身が楽しめることが第一。本来、子どもは色々なものに自ら興味を示し、そこから深く学んでいくことが多くあります。
受験対策として、子どもの気持ちを無視してやらせたり、プリントを機械的にやらせるといった押し付けをすると、子どもは疲れてしまい、勉強キライになってしまうこともあります。
お子さんには「学ぶ楽しさ」を伝えられるような教材や教え方をすることが大切です。
2.親子関係、夫婦関係が悪くなる
子どもの勉強が進まないことで、イライラする、叱ってしまうなどで親子の信頼関係がゆらぐ恐れがあります。またそのイライラを配偶者にぶつけてしまうことで夫婦関係も悪くなってしまうことも少なくありません。
お互いの子育てにおいて大切にしたい点や進路についてのイメージや希望やそれぞれの役割をよく話し合っておきましょう。
3.経済的負担が大きくなる
受験するに至るまでには、様々な費用が発生します。
受験のための塾の費用や模試代、教材費、そのほかに交通費など細々した出費も掛かります。お受験の時の洋服やバッグなども揃える必要もあります。
もちろん、入学後も経済的な負担は続きますので、そうした負担の大きさをあらかじめ覚悟しておく必要があります。