「0歳の育児、何したらいい?」成長する赤ちゃんを前にそのような悩みはありませんか?
まだ不慣れな0歳の育児、何をしたらいいのか不安になるのも当然です。
0歳児の育て方で気をつけたいことや上手な接し方について、こちらではお伝えいたします。
0歳児の育て方で気をつけたい5つのポイント
0歳の赤ちゃんを育てるうえで、大切にするべき関わりや触れ合いとして3つの気をつけたいポイントがあります。
生まれてきたばかりの赤ちゃん、毎日のお世話でてんやわんや。
慣れない育児に追われながらも、日に日に成長する赤ちゃんを見ながら「健やかに育って欲しい」と思っていらっしゃることでしょう。
子育てに疲れて大変だと思いますが、今回お伝えするのはそれほど難しいことではありません。
子どもは、親との心地よいと感じる触れ合いやコミュニケーションを日々重ねることで自己肯定感が養われていきます。また、親に対しては信頼感を抱き、笑顔や仕草でその思いに応えるようになります。
できるだけ赤ちゃんのそばにいる
心の結びつき「愛着関係」を作る時期
時間の許す限り、赤ちゃんのそばにいることを心がけましょう。
生後間もない赤ちゃんでも「親がそばにいるか、いないか」を感じているそうです。
生後9週の赤ちゃんと親を5分間、別々の部屋にしたところ、赤ちゃんの額の温度が1℃近く下がったという実験データがあります。
額の温度が下がったのは、赤ちゃんが緊張状態になったということで、「親がいない=放置された」ことに対して、本能的に恐怖心が生じたと思われます。
忙しい中であっても、赤ちゃんを放置することなく、そばにいてあげられるように意識してみてください。
発達心理学でいう「愛着」とは、相手を大事に思う気持ちに支えられた結びつきをいいます。赤ちゃんは特定の大人とのやり取りをとおしてこの絆を作りあげていきます。
子どもは、愛着関係のある大人、つまり大好きな親との関係性を築きながら、環境に順応して成長していきます。
コミュニケーションのとり方
赤ちゃんと2人きりで過ごす時、どう子どもと過ごせばよいのかわからないと悩んでしまうママパパも多いと思います。
「まだ言葉もわからないのに、どう声をかければいい?」「毎日、同じことの繰り返し…これで大丈夫? 」といった不安や心配をしてしまうかもしれません。
0歳児の赤ちゃんは、まだ言葉を話せないため、赤ちゃんに自分のしたことが思ったように伝わっているのか確認できないことも多いと思います。
けれども、赤ちゃんはママやパパの声が大好きです。
生まれてすぐのころは反応がわからなくても、ちゃんと聞いています。成長するにつれて、あやすと反応を示したり、マネをすると声を出したり、笑ったりするようになっていきます。
赤ちゃんは、生後7、8か月頃になると、いつも面倒を見てくれているママやパパと意思疎通をするために、独特のやり方でコミュニケーションをとるようになります。
ママやパパは、赤ちゃんが発する声や身振りをわかってくれるし、赤ちゃんが出すサインに応えてくれることに赤ちゃんは安心感を持ちます。
生きる上で一番大切となるのは、「自分は愛されている」という感覚を育てることです。子どもを見守り、「今、何か気になっているのかな」と子ども自身が興味を持っているものを感じとってあげるようにしましょう。
また、子どもに、何かあったときは「大丈夫?」と声をかけたり、ツラいことがあったら必ず抱きしめてあげるといったことをいつもくり返していくことで、子どもは「何があっても助けてもらえる」と感じるようになります。こうした経験が人への信頼感のもととなって、将来、人と上手に関わっていけます。
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生活リズムを整える
同じことの繰り返しは、実は子どもにとっては「これが終わったらあれが始まるんだなぁ」という先を見通す力を身につけるのに大切なことです。
同じことを同じリズムで繰り返すのは、実は重要なことです。
赤ちゃんの「生活リズム」は意識して、整えるようにしてあげましょう。
小さい赤ちゃんは昼夜関係なく寝たり起きたりを繰り返しているだけのようですが、誕生してから成長するにつれて、成長するにつれてだんだん昼と夜の区別がついていきます。
月齢ごとの生活リズムは、下記の表の内容を目安としてください。
新生児期~生後2ヶ月頃 |
・まだ生活リズムを意識して整える必要はありませんが、朝に光を浴びることで体内時計のリズムをつけていくことに役立つでしょう。 ・1ヶ月健診が過ぎたら、日中はできるだけ外気浴をさせたり、散歩に連れて行ったりして過ごすようにしましょう。 |
生後3~4ヶ月頃 |
・できれば昼寝や就寝時間もなるべく毎日同じ時刻にして、入浴や授乳時間もなるべく決まった時間にできると理想的です。 |
生後5~6ヶ月頃 |
・昼夜の区別がはっきりしてきます。昼間はるべく明るくにぎやかな雰囲気の中で過ごすように。お天気が良い時は散歩をするなど外に出てみるのもおすすめです。夕方からは静かな落ち着いた環境で過ごすようにして、夜はなるべく同じ時刻に寝られるようにします。 ・生後5、6ヶ月ごろからは離乳食が始まりますので、食事時間をもとに生活リズムを作っていくようにするとよいでしょう。 |
生後7~8ヶ月頃 |
離乳食が2回食になる頃です、朝と夕方の一定の時間に決めることで、生活リズムを整ってきます。 |
生後9~11ヶ月頃 |
離乳食が3回食になるので、三食を決まった時間に取るようにしましょう。 |
1歳頃~ |
早寝早起きの習慣をつけるようにしましょう。大人の生活リズムも、できるだけ赤ちゃんのリズムに合わせた生活となるように工夫してみてください。 |
子どもに規則正しい生活リズムを身に着けてほしいけれど、なかなか理想通りにはいかないものです。とくに夜、子どもがぐっすり寝てくれないと親も大変です。
夜の眠る時間の前に必ず行う習慣(入眠儀式)を生活リズムの中に取り入れてみるのもおすすめです。入眠儀式としては、絵本の読み聞かせ、ベビーマッサージ、子守唄を歌うなどがあります。
なかでも、絵本の読み聞かせはママやパパとのスキンシップにもなりますし、知育にもなります。
赤ちゃんによって、安心感を感じる方法は違いますのでいろいろと試してみてください。
月ごとの記録をつける
いつの間にか、大きくなってしまう赤ちゃん。赤ちゃんの成長をあとから見返せるよう、成長記録をつけておくのがおすすめです。
ノートを用意して、生活リズムを記録(ミルク量・ゲップがきちんと出たか・飲み終わりなどの様子・うんち&入浴した時間・その日のできごとなど)を書いていくと、病院の検診の時などにも役立ちます。
また月に一回、生まれた日と同じ日付けで月齢カードと一緒に写真を撮る「月齢フォト」は、成長が分かりやすくなります。
同じぬいぐるみと一緒に撮影をすると成長ぶりが一目でわかります。後に大切な宝物にもなると思います。
ネット上に、無料の月齢カードの無料テンプレートがたくさんあるのでプリントアウトして使ってみてはいかがでしょうか?
そのほか、毎月手形と足形を月齢カードに取るのもいい記録になりますね。
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赤ちゃんとのスキンシップを大切に
「スキンシップ」は、人のぬくもりを伝えるためには重要な行動です。
赤ちゃんにとって、触るという刺激は、より大きな効果があります。京都大学・明和政子先生らの研究で、新生児に触覚刺激を与えると、刺激を受けた脳領域だけでなく、周辺の脳領域なども活性化するということが明らかになっています。
スキンシップは、子どもの心身の発達に大きな意味と役割をもつことが知られています。ここ10年ほどでとくに注目されているのが「オキシトシン」という神経伝達物質です。
「愛情ホルモン」とも呼ばれていますが、リラックスした気持ちで肌を触れ合うことにより、双方の脳内に分泌し、親子ともお互いの深いつながりを感じることができます。
また、脳がもっとも発達する生後一年ほどの間にオキシトシンの影響を十分に受けると、脳自体がオキシトシンを出しやすく、記憶力がよい、ストレスに強いといった効果が一生続きます。
幼い頃のスキンシップは、その後の脳の成長や能力、性格などに大きな影響を及ぼします。赤ちゃんとの「スキンシップ」をできるだけ多くとるようにしましょう。
授乳時は、赤ちゃんの目を見ながら
授乳するときは、赤ちゃんの目を見てやさしく語りかけながら授乳するようにしましょう。
授乳中は、唯一ママがやすらげる休憩時間。ゆっくり、スマホやテレビを見たい。
ついついやってしまいがちだと思います。実際、日本小児科医会の報告によると、約7割の母親がスマホやテレビを観ながら授乳をしているそうです。
この状態の授乳では、授乳する母親側から十分なオキシトシンが出ない可能性があるのです。
本来、授乳中は親子ともに、愛情ホルモンの「オキシトシン」が非常にたくさん出ていて、互いに愛情が自動的に深まっていき、赤やんは母親への信頼を深めるとともに、赤ちゃんの脳の発達にも重要な時間なのです。
パパもスキンシップで「オキシトシン」を分泌
母親の話ばかりとなっていますが、育児や家事に父親が一緒に参加することでママを精神的に支えることが大切です。赤ちゃんの成長に積極的に関わって、子どもとの信頼関係を築くようにしましょう。
母親だけでなく、父親でも子どもとのふれあいによって「オキシトシン」は分泌されます。オキシトシンは、人と人とがふれあうことで分泌され、信頼と親密の絆を生み出すホルモンとされています。
オキシトシンはスキンシップを始めてから10分位で出てきます。お仕事後のパパも、帰宅後にちょっとだけ抱く時間を持ちましょう。
「オキシトシン」が作られやすい時期として、生後間もない頃と生後半年から1歳半の1年間と言われています。
赤ちゃんの時期にオキシトシンの影響をしっかり受けると、大きくなってからもオキシトシンが出やすい脳になり、将来、豊かな人間関係を築いたり、ストレスに耐えられる人間に成長することが期待できるそうです。
赤ちゃんとパパママが笑顔で触れ合うことで、親子の愛着関係や赤ちゃんの成長につながっていきます。
月齢別【0~12か月】の赤ちゃんとの遊び
赤ちゃんの体と心を健やかに育んでいくために欠かせないのが、その子の発達段階に合った「遊び」です。0歳児の赤ちゃんは月齢ごとにめざましく成長していき、できることがどんどん増えていきます。
0~12ヶ月までの赤ちゃんのとの親子でできる月齢別の遊びをご紹介いたします。
発達には個人差がありますので、参考にしていただいて赤ちゃんの成長を応援してあげてください。
【0ヵ月】笑顔で目を合わせて、語り掛け
多くの時間を眠っていて、まだはっきりした反応をしない時期ではありますが、近くのものはボンヤリと見えているので、ママやパパの顔は見えています。
赤ちゃんは、とくに人の顔に興味を持つと言われています。赤ちゃんが起きているとき、すぐそばに顔を近づけて、笑顔で赤ちゃんの顔を見つめてみましょう。
また、この頃の赤ちゃんは身近な大人の声はしっかり聞いていて、ママの声を認識することもできると言われています。
赤ちゃんの目を見つめながら、「おっぱいおいしいね」「おなかいっぱいなの?」「オムツを替えて気持ちいいね」など何でもいいので話しかけてあげましょう。
【1ヶ月】会話とスキンシップ
1ヶ月ごろの赤ちゃんは、起きている時間が少し長くなります。「快・不快」を表す表現も、ただ泣くだけでなく「アー」「クー」といった声(クーイング)が加わりはじめます。
赤ちゃんがごきげんな「アー」「クー」などという声を出したら、「アーなの」「クーだね~」といった同じトーンで赤ちゃんに返してあげましょう。そうして返してあげるだけでも、赤ちゃんは何か反応をしてくれたと嬉しい経験となりますので、「会話」の始まりとなっていきます。
また、授乳やオムツを替えたあとなどの赤ちゃんがご機嫌がいい時には、赤ちゃんとのスキンシップを楽しんでください。赤ちゃんは体を優しくなでたり、さすったり、くすぐったりされることが皮膚感覚にとって良い刺激となりますし、情緒の安定にもつながります。
【2ヶ月】追視が上手になった赤ちゃんと動きのある遊び
生後2ヶ月くらいになると、クーイングが盛んになってきて「ウックンウックン」「ウグウグ」など感情表現も豊かになり楽しい気持ちを声であらわしたり、ママやパパの顔を見て笑顔になったりします。
また目の前のものを顔を動かして追いかける「追視(ついし)」をするようになったり、手足をバタバタと活発に動かすようになったりと徐々に動きも活発になってきます。
ガラガラのような音の出るおもちゃで、好奇心を誘うように音を鳴らして、目の前で上下左右に動かして「どこで音がしているかな?」と声をかけてみるとよいでしょう。
まだ首がすわっていない頃なので、追視で顔を動かす運動は首のすわりに役立ちますし、赤ちゃんの視野をひろげることにもなります。
【3ヶ月】赤ちゃんの好奇心を刺激しつつ、体を動かす遊びを始める
生後3か月頃になると、感情表現もますます豊かになってきます。
身体的には、手足の動きがさらに活発となります。聞く力も発達してくる頃で、声や音のする方向に顔を向けるようになります。
この頃の赤ちゃんの特徴的な変化として、「ハンドリガード(hand regard)」があります。赤ちゃんが成長・発達する過程で見られるしぐさで、赤ちゃんが自分の手を見つめる行為を指しますが、その子によってしぐさはまちまちです。自分が手を動かすと目の前に見えている手も動くので、興味を持って見つめているだけのようですが、赤ちゃんにとっては自分の体を思い通りに動かすための第一歩です。
この頃の赤ちゃんには、手首や足首に音の出るラトルを巻きつけてあげると、自分が動くことで音が出ることを好奇心を誘いながら遊ぶことができます。
体を動かす力を育むスキンシップ遊びもおすすめです。
仰向けに寝かせた赤ちゃんの両足を軽く持って「のびのび~」「気持ちいいねー」などと声をかけながら優しくゆっくりと足を伸ばしたり縮めたりしてみましょう。足が終わったら、次は腕もやってみましょう。
体の動かし方に慣れると、赤ちゃん自身が手足を曲げ伸ばすといった動きをすることができるようになります。
【4ヶ月】視野を広げて好奇心を刺激、体を積極的に動かす
首がすわり始めて、うつ伏せの状態で周りをみることができるようになってきます。視野をより広げて、好奇心を刺激してあげましょう。
体を積極的に動かして、次の寝返りの発達などにつながるような筋肉を使った遊びをしてあげましょう。
大人の体の上に赤ちゃんをうつぶせにしておなかの上に乗せ、落ちないようにしっかりと体を支えます。向かい合わせの状態で、「〇〇ちゃん、おふねに乗りました。大きな波がやってきて…さぶーん!ざぶーん!」と赤ちゃんの体を左右にゆらゆらとゆすります。
バランスを取ろうとする際に、自然と体幹が鍛えられて、寝返りやおすわりに必要な筋肉も鍛えることができる遊びです。体を密着しているので、赤ちゃんにとっても安心感があって楽しい遊びです。
膝の上に向かい合わせで乗せて、赤ちゃんの脇の下を支えながらゆっくり後ろに倒したり、起こしたりする「シーソー遊び」も同じく目と目を合わせながら体を鍛えることのできる遊びです。
【5か月】寝返りトレーニング、興味のあるおもちゃに手を伸ばす
体をねじる動きから、寝返りができるようになる子もいる頃です。体をねじるような動きが出てきたら、寝返りがうてるように助けてあげる遊びを取り入れてみましょう。
あおむけの赤ちゃんの体を片足を、もう片方の足の上に交差させるようにして、浮き上がったお尻を手のひらで支えてあげます。「ころりん、ころりん」と声を掛けながら、ゆっくりゆらゆら左右に揺らします。そのまま勢いにのって、自然と寝返りができることもあります。
また、この頃の赤ちゃんは頭の中で目と手の動きをつなげられるようになります。うつぶせの赤ちゃんから手の届くところにおもちゃを置くと取りたがります。「〇〇ちゃんの好きなおもちゃがここにあるよ~」と声を掛けて、手を伸ばしたら取らせてあげましょう。おもちゃを取ろうとしたら、実際に取れたという成功体験の思いを経験することができます。
【6ヶ月】やり取り遊びや「いないいないばぁ」などの遊び
心も体もずいぶん発達してきます。興味のあるものに対して、自らなにかをしようとする能動的な動きが多く見られるようになってきます。
大人とのコミュニケーションを取って、言葉やものをやり取りする「やりとり遊び」を楽しめるようになってきます。
好きなおもちゃを「はい、どうぞ」と渡したり、赤ちゃんのほうに向かって「行くよ~」とボールを転がしたりして遊んであげましょう。そのうち、赤ちゃんの方から手渡したりする動作が出てくることも。
また、6ヶ月頃には隠れて見えなくなったものが、消えたのではなくどこかにあり、また出てくるという「永続性」が理解できるようになってきます。そのため、「いないいないばぁ」遊びに喜んで反応するようになってきます。
手だけで隠すのではなく、ハンカチやタオルを使ったり、おもちゃやぬいぐるみを隠したり色々な「いないいないばぁ」を楽しんでください。
【7ヶ月】体の発育を促す遊び
7ヶ月になると、体つきもしっかりしてきてお座りも安定してできるようになってきます。そうなると、座ったままで両手を動かすことができるようになってくるので、手先もだんだん器用になってきます。
ずりばいやハイハイにつなげるために、バランス感覚を養ったり体を鍛えたりすることのできる遊びをたくさん取り入れましょう。
赤ちゃんの両脇をしっかり支えて「たかいたかーい」と抱き上げる遊びは大好きです。また、大人が仰向きに寝転がって、すねの上に子どもを乗せた「飛行機ぶんぶん」は体幹を鍛えて、バランス感覚を養うのにピッタリの遊びです。子どもの脇をしっかり支えて、「飛行機が右に曲がります」「上に上がります」などと動きに変化をつけて前後、左右に揺らして遊びます。
両手を使ってできる手遊びなどもしてみましょう。
赤ちゃんの手を取って、空き箱や缶など様々なものをたたいて音を出してみましょう。自分が働きかけて「トントン」「バンバン」といった音が出ることが赤ちゃんにとっては新鮮な体験となります。
【8ヶ月】興味のあるものに移動できる頃、好奇心が旺盛
8ヶ月頃となると、「ずりばい」で興味のあるものに向かって、自分から移動できるようになります。そうして、行動範囲が広がることで、好奇心がさらに高まっていきます。
ずりはいを始めて間もない頃であれば、一緒に床に転がって触れ合ったり、遊んだりすることで絆を深めることにもつながります。
ずりばいが上手になると、行動範囲がどんどん広がっていきますので広めのスペースを確保できるといいと思います。誤飲の可能性があるものを取り除く、転倒や硬い床の場合にはクッションフロアを敷くなどをして、安全性を確保するようにしましょう。
上手に動くようになったら、名前を呼んで「こっちにおいで~」と手を叩いたりして、動くのが楽しいという気持ちを高めてあげましょう。座布団やクッションを通り道に置いて、お山を作り、そこを登ったり降りたりして遊びと全身の色々な部分を使った運動となります。
ずりばいをしていて、頭を床につけるような様子が見られたら疲れているかもしれません。遊びを中断して、仰向けに戻してあげるとよいでしょう。
【9ヶ月】指先を使った遊び
9か月頃は、「ハイハイ」をする子が多くなってきます。四つん這いで、バランスを取りながら脚と腕を交互に出していくハイハイの動きは、全身の筋肉を鍛える効果があるとともに、脳の発達にも大きな影響があります。
上手にハイハイができるようになったら、お家の方もハイハイで「待て待て~」と追いかけて鬼ごっごをして遊びましょう。
欲しいものを手で示すなどによって意思表示することもできるようになってくるため、子どもの目を見てコミュニケーションを取りながら遊ぶように意識しなければならない頃です。
手指を使ってできることも増えてきます。指先を使った動きは、脳の神経系シナプスを増加させ、脳を活性化させてくれます。
自分の手や指をある程度、自由に動かせるようになった赤ちゃんはもっと自由に動かしたいという強い衝動があります。「ティッシュを引き出す」遊びが好きなのはそのせいです。
積んである積み木を崩したり、ティッシユの空き箱にスカーフなどを入れておいて、引っ張り出すような遊びをさせてあげましょう。
【10ヶ月】楽しく「たっち」の練習!
10ヵ月頃は、ハイハイはかなり上手になって、なかにはつかまり立ちや伝い歩きをする子も出てきます。
「立ち上がる」タイミングは、赤ちゃんそれぞれの大きな個人差があるので、まだ立ち上がらないと焦らずに見守ってあげましょう。
子どもの歩きたい気持ちをサポートするような遊びは、歩く練習にもなります。
赤ちゃんの両足を大人の両足の甲の上に乗せて、赤ちゃんの両手を持ってゆっくりペンギンのように歩く「ペンギン歩き」がおすすめです。
この頃には、大人が話す簡単な言葉を理解できるようになるとともに、「まんま」や「わんわん」などの「喃語(なんご)」も少しずつ出るようになってきます。そうした言葉が出てきたら、その言葉に意味をむすびつけられるようなに意味付けをする言葉かけをしてあげましょう。
【11ヶ月】楽しく歩く練習、指先を使った遊び
11ヵ月は、つかまり立ちやつたい歩きをする子が増えて、早い子は少しの間ならそのまま立っていることや数歩歩くことができる子も出てくる頃です。
つかまり立ちができるようになった頃であれば、赤ちゃんがつかまり立ちから歩くへとの移行を手助けするテーブルやベビージム、手押し車などを使って遊ばせてあげましょう。
自分で、段ボール箱を使って用意することもできます。ちょうど手をつける高さの段ボール箱にザブトンのように重みのあるものを入れて安定させることで、赤ちゃんが手をついて押していくことで、ちょうどよい具合に動かすことができると思います。
また、つたい歩きができるようになったら、赤ちゃんの手がつけられる高さのテーブルの周りで「鬼ごっご」をして遊びましょう。
お気に入りのぬいぐるみなどで「〇ちゃん、待って~」と追いかけると、子どもは大喜びです。ただし、あまり興奮させすぎると危険なので、赤ちゃんのペースでテーブルの角などでケガをしないように安全に気を使って遊ぶようにしましょう。
手先の発達を促すような遊びも積極的に取り入れたい時期です。おもちゃのボタンを押したり、積み木を重ねるなど指先を使った遊びや、形はめパズルなど物の出し入れなども楽しく遊ぶようになります。
まだ話せなくとも、大人の言うことはだいぶ理解できるようになってきている頃ですので、「どうぞ」「ちょうだい」などの言葉を理解して、物の受け渡しもできるようになる頃です。
危険なことややってはいけないことはくり返し教えてあげるようにしましょう。
【12ヶ月】器用になった手先で遊ぶ
生後1歳を迎えるころには、1・2歩くらいならば一人で歩くことができる子も出てきます。
また、小さいものをつまんだり、手指の動きもかなり器用になってきます。
「シールはがし」のような遊びもできるようになります。シールはがしは、子どもの大好きな遊びです。指先の器用さを養ってくれるとともに、集中力を養うことにもつながります。剥がしやすい大き目のシールを用意して、楽しく貼って遊ばせてあげましょう。
ただし、剥がしたシールを口に入れやすいので、遊び時には必ず大人が付き添った時にやるようにしてください。
赤ちゃんと一緒に「お絵かき」を始めてみるのもおすすめです。はじめは、クレヨンをぎゅっと握って描く練習から。最初は、見ていたり、なめたりするだけかもしれません。子どもの成長で描き方が大きく変わっていきます。
赤ちゃんによっては、最初の一語が出る子もいます。個人差が大きいので、発語を急がなくともよいですが、「ごっこ遊び」をすることで、たくさんの言葉を習得することができます。記憶力が育って、大人のしたことを覚えてマネをすることも増える頃です。
赤ちゃんのお気に入りのぬいぐるみや人形を使って、「こんにちは」「いただきます」などの一日の暮らしの中で使う言葉を教えていってあげましょう。
赤ちゃんの遊びとして「室内遊び」をこれまでご紹介してきましたが、「外遊び」もさせてあげましょう。
「外遊びは生後〇ヶ月からしましょう!」という決まった目安はないので、首がすわり、ハイハイができるようになってから子どもの成長具合を見ながら考えて決めるようにしてあげてください。
外遊びをすることで、[視覚][聴覚][嗅覚][味覚][触覚]の五感を刺激することができ、子どもの脳を成長させ、感性豊かな子に育ってくれます。
「外遊び」の時間は、1歳くらいの赤ちゃんであれば1日1、2回、1時間くらいするのが理想だと言われています。赤ちゃんの様子を見ながら、お散歩しやすい、遊びやすい時間帯を選ぶようにしましょう。