数字を取り入れた遊びで、幼児に「数」に興味を持ってもらいましょう。
数字を日常生活や遊びの中で取り入れることで、幼児は「数」が好きになるはずです。
ひらがなや数字など、入学前に覚えさせたいと焦るのではなく、楽しく取り組む環境を大人は用意してあげるようにしましょう。
子どもに数字を教えるのはまだ、早い?「今」がその時?
小学校入学前、周りの子が数字を覚え始めていると聞くと「うちの子も覚えさせなきゃ!」と思われることでしょう。
でも、子どもは自然と数に興味を持つ時期が来るので、その時期を逃さず教えるのが一番のチャンスです。
子どもを観察していて、「数を数えたくてしようがない」「数字を見ると読みたくてしようがない」といった行動をする時はどの子にも来ます。一般的には、子ども自身が数への興味を抱く、数の敏感期が3~6歳頃に来ると言われています。
この時期は、子どもが自発的に数字を学び始めるチャンス到来です。
その時までは、日常生活の中で数字を意識させる取り組みをしてみましょう。
取り組むというと、何だか面倒臭い感じがしますが、幼児にとっては遊びがすべてのスタートラインです。
何かに夢中で取り組んでいる時が学びの効果が高まる時でもあります。
大人からは、単純すぎるように見える活動でも何度でもくり返し熱中して活動する時期には、見守ってあげてください。
家庭ではいきなり数字を「教えよう」とするよりも、子どもの自然な興味にしたがって、数字や数も「楽しい」気持ちにするような数字のエッセンスを取り入れたコミュニケーションを取るようにしていってみて下さい。
子どもが数字に興味を持つ遊び
数字に興味が自然に出てく3歳頃から、親子で楽しく数に親しむための遊びをご紹介いたします。
家庭でできる数遊び
1.数を口に出していこう
「数唱」とは、1・2・3・4….と数を数えたり、声に出して歌ったりしながらすることです。
数の概念を学ぶ基本ですが、乳幼児期の子どもにはこちらから始めるのがおすすめです。最初のうちは、1から5までで十分です。
お風呂に浸かりながら数えるとか、階段を上る時に数える、おやつの数を数えるとか。
10以上までの数は、また1から始めてもいいでしょう。
数を口に出すことを意識して、子どもとコミュニケーションを取っていくことが遊びになります。
なんでも数えること自体を「遊び」にしてしまいましょう。
子どもは、たくさん聞いて、自分で繰り返し口に出すことで覚えていきます。
モノを見ながら声掛けをする時には、「パンが3つあるね」「お皿を2枚取って」「ブロックを1個ちょうだい」ように正しく序数字を使うことを心掛けましょう。
すらすらと10までの数を言えるようになってきたら、数字のポスターを見て、1つずつ指差しをして数字の表記を一致させて読んでいくとよいでしょう。(100円均一でお風呂の壁に貼れるようなものも販売されています。)
2.同じ数を探そう
子どもが、1から10まで(もしくは1から5まで)の数字と順序に慣れてきたら、次のステップに進みます。
次は「数字と量と一致させる」ことです。
数唱した数字と数量を一対一対応させることができることを目指します。「数」は抽象的な概念のため、子どもは理解するのが難しいので、実際に手に触れて確かめていくことが大切です。
高価な知育玩具を買わなくとも、おはじきやトランプを使っても数遊びはできます。「1」を教える時には、おはじきを1つ、「2」はおはじきを2つ、「3」はおはじきを3つ…。というふうに「数字」と「量」とを一致させることによって、「数」を体験することができるのです。
身近なものを使って、手作りされても良いでしょう。
下で動画をご紹介させていただきますが、紙コップとペットボトルキャップを使って、どちらにも数字をシールで張るだけで完成です。
数字と同じだけ並べたり、1のコップにキャップを1つ、2のコップにキャップを2つと数字の数だけキャップを入れたり、遊びの中で自然に数を理解していくことができます。
3.数を比べよう
数の概念には、多い・少ない、同じといった数量の概念も基本としてあります。
お家にあるものを使って、数とモノを比べる遊びをみましょう。
下で動画をご紹介させていただきますが、洗濯バサミ、靴下、ペットボトルのふた、クリップなど、子どもが口に入れて危ない小さなもの以外のものを集めて、おままごと用のお皿に入れるゲームをしましょう。
「せーの」でお皿に入れて、どちらがたくさんお皿にいれたかを予測して、どっちが多いかを数を「くらべっこ」してみましょう。どちらが多かったか、少なかったかの数を口にして確認してみましょう。どっちが多かったかを「予測」するのがポイントゲットできるルール。数字と量の関係も体験的にわかってきます。
4.順番に数を並べよう
数字を100まで言えたとしても、順番に唱えているだけでは数系列を理解していることにはなりません。数字を見せた時に、「1はどれ?」「3はどれ?」と聞いて応えられない子は多いものです。
トランプなどを使って、1~10まで数を小さい方から順番に並べてみましょう。最初は1~5だけの数字でやってみましょう。数字カードの下に同じ量のおはじきを並べると、目と手で理解が進みます。
上手くいくようになったら、連続した数のカードを数枚選んで順番に並べる→ランダムに選んだ数を並べるといったようにしてレベルアップして遊んでいきましょう。
トランプ以外にも、名刺サイズのカードを使って手作りのカードでもいいですね。子どもの好きなシールを貼ってあげてもいいでしょう。「かずカード」は100均一でも手に入りますし、“くもん”や“こぐま会”のカードも人気があります。
参考として「数」の手づくりカードの動画をご紹介いたします。
5.お店屋さんごっこ、お買い物ごっこ
2歳半頃から「お店屋さんごっこ」が好きな子も多くなります。野菜、果物などのおもちゃやそれらが書かれたカードを複数置いたもの中から「〇個下さい」と言ってもらいましょう。
3歳頃からはお金やレジの玩具を使って遊ぶ子も見られるようになります。モノに値段をつけて、おもちゃの硬貨や紙幣で払う「お買い物ごっこ」では、モノの値段とお金の種類の数的感覚が身についていきます。
お買い物ごっこの動画をご紹介いたします。
数字の出てくる絵本を読む
数の楽しさや数の概念を教えてくれる内容の絵本など色々あります。
数字を題材にした知育絵本もありますし、絵本に出てくる可愛い動物や大好きな乗り物の数を子どもと一緒に数えてもいいでしょう。
『さん』という数字は『3』という文字の形だよというように、文字の形を学ぶことから始めていきましょう。
こちらでは、はじめて数と出会うお子さん向けの絵本をご紹介します。
- 安野光雅さんの「かぞえてみよう」
- エリックカールさんの「1、2、3どうぶつえんへ」
- さかざきちはるさんの「かぞえてみよう」
- 五味 太郎さんの「かずのえほん 1・2・3」
知育おもちゃで遊ぶ
知育おもちゃで「数」を学べるものとは、数を数えたり、数の構成を教えることのできる「100玉そろばん」や「おはじき」「積み木」、時計のおもちゃ、数字型はめパズルなどがあります。
会社としては、くもんや七田式、学研などには多様な知育玩具がありますし、数の敏感期があることを提唱する「モンテッソーリ教育」で使われる教具も多様な種類のものがあります。
知育おもちゃで子どもは遊ぶことによって楽しみながら自然と覚え、また繰り返し続けることで学んでいけます。
無理に数を覚えさせるのではなく、わが子に合いそうなおもちゃを選び、一緒に遊んで見てはいかがでしょうか?
楽しんで遊んでいるうちに、数字に興味が芽生えるはずです。