2歳への教育、いつまで何を働きかけるといい?

絵本読み聞かせ

2歳児の教育、いつまでに何を働きかけをしてあげたら良いのでしょう。
天才期でもある「魔の2歳児」への教育は、いつまで何を取り組むか、親の働きかけが重要な時期です。
こちらでは、2歳児教育としておすすめの働きかけについて、お伝えいたします。

魔の2歳、イヤイヤ期、天才期…2歳児とは、どのような時期?

2歳児の心と脳の発達

2歳児は、その後の人生を決める基盤となる時期です。

脳も心も、胎児期の初期から始まり3歳頃までには、約80%が完成がするといわれています。人間として一番大切な心と脳が大きく伸びる大切な時期です。

2歳になると、成長の証として、自己主張が強くなり、何でも自分でやりたがる時期です。

また、「イヤイヤ期」といわれるように、受け身だった頃とは違って、「イヤ」「ダメ」「自分でする」と親の言うことを聞いてくれなくなります。

「魔の2歳児」とも言われますが、2歳の子が自己主張するのは心の成長の証でもあります。

対応に困ることも多いとは思いますが、大人は子どもの気持ちをしっかりと受け止めてあげるようにすることで、自己肯定感を育むことができます。

 

2歳児の心と脳の発達について、その特徴を見ていきましょう。

2歳児は、2語〜3語を組み合わせて話すのが特徴です。

「わんわん、いた」など二語文を話すようになり、しばらくすると「ママ、おもちゃ、とって」といった三語文につながっていきます。それまで大人にかけてもらった言葉が急速に発することのできる「言葉の爆発期」を迎え、ちょっとした会話も成り立つようになっていきます。

色々なことに興味を持ちだして「これなあに?」「どうして?」と多くの質問をしてくる「なになに期」が始まります。子どもは質問をすることで、言葉や知識をどんどん広げていきます。

 

また、この時期の2歳児は記憶力・思考力が発達します。

自分の過去の記憶にもとづいて、喜怒哀楽といったアクションをとるようになってきます。ママがいつもお出掛けする時のカバンを手にすると「お出かけだ!」と玄関へ走っていったりします。

時間の流れをだいぶ分かってきて、過去に起こったことも話し始めますが、この時期の子は何でも「昨日」となってしまうのが特徴です。この時期の子どものの時間軸は「現在(今)と過去(=きのう)」で構成されているため、過去はすべて「昨日」になってしまう場合が多くあります。

会話の中の中で、昨日だけではなく「一昨日」「明日」「あさって」など、時を表す言葉を使ってあげることで、自然と時間の感覚とその言葉が身に付いてきます。

 

2歳ごろになると少しずつ、社会性が身につき始めます。

同年代の他の子に興味を持ち始めます。他の子が遊んでいるのをよく観察して、「なにをしているんだろう?」「自分もやってみたいなぁ」と興味の芽を育てている時期です。
他の子の名前を呼んだり近づいたりすることが増え、社会性が身につき始めます。

とはいえ、まだ2歳児は自分が中心の意識であり、周りへと意識が向くようになったばかり。他の子と一緒に遊ぶや仲良く遊ぶといった考えやそれが楽しいと思える気持ちもこれから育っていくものです。

これから、他の子と遊ぶためのルールやコミュニケーションの取り方などの社会性を身につけていく準備段階に入る頃です。

砂場遊び

2歳児の身体の成長目安

2歳児の体のおおよその発達も見ていきましょう。

厚生労働省による「平成22年度 乳幼児身体発育調査」2歳児の身長・体重の男女別のおおよその目安をご紹介いたします。

◆2歳(0~6ヶ月)の成長目安(男女別)◆  
男子 身長:81.1cm~92.5cm
体重:10.06kg~14.55kg
中央値:86.7cm
中央値:11.93kg
女子 身長:79.8cm~91.2cm(中央値:85.3cm)
体重:9.30kg~13.73kg(中央値:11.29kg)
中央値:85.3cm
中央値:11.29kg
◆2歳(6~12ヶ月)の成長目安(男女別)◆  
男子 身長:85.2cm~97.4cm
体重:10.94kg~16.01kg
中央値:91.1cm
中央値:12.99kg
女子 身長:84.1cm~96.3cm
体重:10.18kg~15.23kg
中央値:89.8cm
中央値:12.43kg

上記の値はあくまで平均値なので、目安として参考にしてください。

2歳児は、赤ちゃん体型から幼児らしいスマートな姿へ変わってきて身体の変化はある程度形づくられてきたことで、ゆるやかになっていきます。個人差も大きい時期ですが、中央値をもとに比べてみると2歳から3歳までの1年間で体重は1~2kg程度、身長はおよそ4~5cm程度増加します。

 

2歳になると筋力・体力もずいぶんついてきて、運動能力がずいぶん発達するようになります。歩くことが楽しくてたまらなく、走ることもできるようになり、道路などでは先に走って行ったり、飛び出すような危ない場面もでてきますので、危ないところではしっかり手をつなぐなどの注意が必要となります。

体を使ったダイナミックな遊びもできるようになる頃ですので、親子で体を使った遊びも楽しみましょう。

 

また、運動機能の発達に伴って、手先も器用になります。小さなものをつかんだり、スプーンやフォークを使う、ボタンを留めるなどの指先に神経を集中させた動きがたくさんできるようになってきます(巧緻性の向上)。

 

この時期は脳も心も体も成長がぐんぐんと伸びる時期ということから「天才期」ともいわれます。

3歳までの間、子どもの意欲があふれる時期です。

この時期に、知識を詰め込みたくなるかもしれませんが、3歳までは知識の受け皿となる脳や心を育てる時期です。

子どもの思いどおりに、衣服の着脱、食事、簡単なお手伝いなどをさせてあげて、親はあまり口出しせずに、できたらしっかりと褒めてることでやる気と自信を育ててあげましょう。

 

2歳児へのおすすめの声掛け

言葉が劇的に発達する時期なので、できるだけ様々なことばを使って話しかけてあげましょう。

なになに期の子どもへの対応

2歳児の「なに?」「どうして?」にはキチンと答えて!

2歳~3歳児の時期は、物などを指さして名前を尋ねる第1質問期です。物や事柄の名前を根気よく教えてあげるようにしましょう。

同じことを聞かれても、「さっき教えたでしょ!」などど叱ることをせずに、できるだけ丁寧に答えることを心掛けましょう。

できれば、プラス1をつけて答えるようにして。

ケーキを見て、「これはなぁに?」と聞かれたら、「ケーキだよ」だけでなく、「甘くておいしい食べ物でケーキっていうんだよ。赤いイチゴがのっているね。」といったように形容詞をひとつくっつけて返してみましょう。

また、言葉と視覚が結び付けられるようにすると、言葉の世界が広がります。

イヤイヤ期の子どもの対応

よく言ってしまいがちなNGな言葉として、「早くしなさい!」といった子どもの言い分を聞いてあげない言葉や「何やってるの!」といった一方的に叱る言葉があります。

基本としては、大人が感情的にならず冷静になることです。その上で、子どもだから話してもわからないと考えずに、1人の人として向き合ってあげることが大切です。

2歳児は、大人の言うこと全てに反抗してみたり、何でも自分でやりたがったりします。

何でも自分でやりたいという欲求があるけれど、うまくできずにイライラしたり…、「まだ早いよ」と言われても、自分のやりたい気持ちを抑えたりすることができなかったり…。

子どもも自分のもどかしい思いを言葉にして表現することができず、また感情を抑えられずに「イヤ!」という言葉や態度が出てくるのです。

泣きじゃくる子ども

「できた!」を応援

2歳児になると、スプーンやフォークを使って自分で食べたり、トイレトレーニングが始まったり、衣服の着脱や片付けも徐々にできるようになってきます。

2歳児になると身の回りのことなどを自分でやりたいという思いもでてきますので、「できることは自分でやる」ことを目標にサポートしていきましょう。

「できない」と決めつけることなく、できないからと言って「だから言ったでしょ」と叱るようなことはせず、手を出しすぎず見守るように、また時にはさりげなくサポートをしながら、できた時にはしっかりほめるようにしてあげましょう。

「できた!」という気持ちの達成感、成功体験はこれから子どもが成長していく上で、かけがえないものです。できたこと、一つひとつは小さなことかもしれませんが、今後、様々なことに挑戦していく時の自信となったり、がんばる力となります。

小さな達成感の積み重ねを応援してあげつつ、毎日の生活の中で少しずつ発達に応じて、ハードルを上げてみましょう。

家庭での2歳児への働きかけは?

3歳までの間に、家庭でできる働きかけをご紹介いたします。

生活習慣を身につける

2歳児は、手先が器用になって様々な動きができるようになります。

片づけや着替えや手洗い、歯磨き、トイレトレーニングなどの生活習慣などを無理にやらせるのではなく、自分でやりたいという気持ちを引き出して身につけていくようにしましょう。

言葉でやり方を説明してもまだあまり伝わらないので、お手本を見せることで覚えていきます。

とはいえ、2歳児は今までスムーズにできていたことができなくなったり、できるようになったことを嫌がったりすることもあります。

楽しい雰囲気で、できたら大げさな位でもしっかりほめてあげましょう。

手先の器用さを育てる

指先を使った細かい作業などは、前頭前野や前頭極に働きかける脳に良い刺激となります。

積み木・折り紙・ねんど遊び・ブロック・パズル・ひも通しなど、お子さんが喜んで取り組めるものを与えてあげましょう。

※2歳児は、まだ口に物を入れたりする時期ですので、口に入れても安全な「小麦ねんど」「お米ねんど」をおすすめします。家庭でも小麦粉・塩・水・サラダ油で作ることができます。食用色素を使えば、カラフルなねんどが作れます。

「小麦ねんど」「お米ねんど」は、ダイソー、セリアなどの100円均一でも入手できます。

粘土遊び

記憶力・想像力を育む

天才期のこの時期、子どもによって個人差はあるものの、2歳から2歳半までで300~500語程度を覚えるといいます。

小さい時には、目からの刺激で覚えることが多いので、この時期にフラッシュカード」で単語を見せて発音することで記憶が定着しやすくなります。

※フラッシュカードは、七田式のオフィシャルストアくもん出版などで購入できます。

 

また、「絵本の読み聞かせ」は、記憶力と想像力を育みます。

2歳になると、お話の内容もわかるようになってきて、喜び・怒り・悲しみ・楽しいといった反応も出てきます。

読み聞かせる時には、感情を込めてお話を読んであげてください。

子どもは、絵を見て言葉を聞いている間、様々な想像をするようになり、感受性が豊かな子に育っていきます。

 

また、「見立て遊び」や「ごっこ遊び」は、想像力や発想力を高める遊びです。

身近にある積み木などを携帯電話に見立てて使うマネをしたり、ぬいぐるみにご飯としてあげるしぐさをしたりするのが「見立て遊び」です。子どもが遊んでいる時には、「〇〇だね~」と声をかけてあげることで、子どもの想像力がより活発になるでしょう。

自分以外の何にでも使える小さな積み木やカラフルなチェーンリングなどがあると楽しく遊べます。

 

言葉を覚えてきた子どもがイメージをふくらませて、自分以外の何者かになって振る舞うのが「○○ごっこ」です。ごっご遊びは、相手が必要なことが多くあります。子どもの相手になってあげて、一緒に楽しんであげましょう。

文字を書く準備をする(運筆力を育てる)

2歳児は、文字に興味を持ちだす時期です。早速、書かせたくなると思いますが、文字書きの基礎となる“線を書く”取り組みから始めましょう。

 

まずは、“なぐり書き”で力強い線が書けることからスタートです。のびのびと自由になぐり書きをさせましょう。

鉛筆は、子供の手の大きさに合った12cm~13cmの鉛筆がおすすめです。

芯の柔らかい4B以上の鉛筆を使うようにしましょう。

 

おすすめは、くもん出版の「こどもえんぴつ」です。

はじめて鉛筆をもつ子ども向けには6Bを推奨しています。

くもんのこどもえんぴつ6B

画像:くもん出版

なぐり書きで、しっかり鉛筆を握る力や鉛筆の芯を紙にこすらせる筆圧を育てていきましょう。

なぐり書きの後に、“線書き”→“文字書き”の基礎を身につけるようにして行くと良いでしょう。

 

子どもの集中力は短いので、楽しんで取り組むためにはプリントを活用するのもおすすめです。

『ぷりんときっず』には、無料の「点つなぎ」、「なぞり書き練習」のプリントが豊富にあります。

こちらを印刷して使ってみてはいかがでしょうか。

▶▶▶ぷりんときっずホームページ

2歳児におすすめの習いごと

心身が発達し、できることが増える2歳児。好奇心もいっぱいで、新しいことにチャレンジするにはいいタイミングです。2歳児の習いごとは、子どもだけでなく、親子で一緒に参加する形式のものが多いです。

子どもの好きなもの、興味のありそうなものから、どういった習いごとをさせるか検討してみたらいいでしょう。

多くの習いごとでは、事前の体験教室を実施していますので、まずは参加してみて子どもの反応を見て選んでみてください。

イヤイヤやっているようでは身につきません。まだ2歳児なので結果を求めずに、早く上達させたいと焦らないようにしましょう。

子どもにとって楽しめているからこそ、伸びていけるのです

子どもにとって習い事が「楽しい・おもしろい」と感じることができるように、がんばる姿をほめたりしてサポートしてあげてください。

 

スポーツ系の習いごと

特に、体を動かすスポーツ系の習いごとは子どもの体の発達を促進する助けにもなります。体を思いっきり動かす機会が少なくなりがちな現代の子どもには基礎的な運動能力を伸ばすよい機会となります。

スイミング」は、水中で全身運動を行え、心肺機能を高めるなどにより身体機能を強くすることから人気です。

体操・運動教室」は、体の基本的な動かし方や柔軟性、バランス感覚を身につけられます。

また、「サッカー」も男の子、女の子ともに人気です。2歳児の子はまだサッカーというよりも走りながらボールと触れ合う、ボールを蹴る楽しみを感じる位ですが、持久力や瞬発力を高めることができます。また、集団で行うスポーツなので社会性や協調性も養うこともできます。

また、多種類のスポーツを体験できるミックス系のスポーツ教室もあります。どのようなスポーツが得意なのか、不得意なのかを知る機会ともなります。

芸術系の習いごと

音楽を使ってリズムを取ったり、曲に合わせて表現をする「リトミック」。心や体のバランスを整える効果もあります。

ダンス教室」や「バレエ教室」も、筋力やバランス感覚が向上するだけでなく、集中力も培うことができます。また、表現力や想像力も育むことができます。発表会があるのも、ママやパパにとって楽しみにもなります。

ダンスをする女の子
また、想像力や表現力を高めていくといえば、「お絵かき」や「造形教室」も人気があります。非認知能力を伸ばすという面から近年、注目されています。

英語の習いごと

母語が確立していない2歳児は、英語を吸収しやすい耳を持っています。

音を聞き分ける能力の高い幼少期から英語のリスニングを始めることで、「英語耳」やきれいな発音も身につきやすくなります。

英語を耳に慣らす時期が早ければ早いほど、ネイティブレベルの発音を身につけられる可能性も高まるでしょう。

英語教室」では、2歳児の子どもには英語の勉強というよりは、遊び感覚でレッスンを楽しみながら、自然と英語に触れることができるようなレッスンを行っています。ネイティブやバイリンガルな講師によるレッスンも行われています。

教室に通うのが難しい場合でも通信教材という方法もあります。DVD等を見ながら学べるので普段の生活から英語に触れることが出来ます。


幼児教室

また、子どもの潜在能力を幅広く刺激してくれるのが「幼児教室」です。

教室によって、積み木やパズル、フラッシュカードなど行うカリキュラムの違いがありますが、子どもの持っている力を伸ばしてくれるカリキュラムが数多くあります。将来の幼稚園や小学校受験を目指すための教室もあります。

同年代の子どもと交流できるよい機会ともなります。

 

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