0歳への英語教育として「 聞き流し」は効果があるのでしょうか?
0歳から英語の聞き流しをすることで「英語耳」を作れるという話はよく聞きます。
ただし、赤ちゃんの聞き流しの効果を発揮させるには、いくつかのポイントがあります。
こちらでは、赤ちゃんへの効果的な英語の聞き流しの方法についてお伝えいたします。
0歳から英語の聞き流しがおすすめの理由
早くから英語を聞くメリット
赤ちゃんの耳は、生まれた時からある程度の音が聞こえています。お母さんのお腹の中にいる時でさえ、心臓の音や声を聞いているといわれています。
赤ちゃんに英語を聞き流す目的としては、早めに英語に触れて「英語耳」を育てることという方が多いと思います。英語耳が育っていないとマネして話すことやスピーキングが難しくなりやすいと考えられています。
日本語と英語では周波数が大きく異なっていたり、日本語にはない発音の聞き分けがあることが日本人の英語習得の壁となっています。
生後6~8ヶ月の赤ちゃんは「r」と「l」を聞き分けているけれど、生後10~12ヶ月の赤ちゃんは聞き分けることができないといういくつかの研究結果もあります。
この時期を過ぎると、母国語の持つ音の特徴のみを区別するようになってしまうらしいのです。1歳に達すると、母語以外の音声は雑音になると言われています。
というのは、脳が母語とそれ以外の言葉をはっきり区別することで効率的に言葉を覚えていくことができるからです。犬の鳴き声や英語は、母語ではないので同じように扱われるということです。
つまり、英語を聞き分ける耳を育てるには、生後10か月までに身近に英語のある環境をつくり、保っていくことが重要ということです。
音を自然と聞き分けられる能力は1歳頃から発達し、6歳頃には完成するとされているため、乳幼児から英語に触れると、英語特有のリズムや発音などを効率よく身につけられるのです。
赤ちゃんの英語聞き流しのポイント
赤ちゃんや幼児の場合の場合は、大人と違って自分から明確な目的を持って英語を聞こうとするわけではありません。「聞こう」とするのではなく「聞かされていた」「聞こえてきた」状態にされている状態です。
「英語の聞き流し」は、ママやパパが熱心になり過ぎてしまう傾向があります。
子どもが嫌がる場合は無理に押しつけないことが重要です。
赤ちゃんの時は、まだ親のなすがままでいますが、生後10か月頃になると好き嫌いなどの感情が芽生えてきます。泣く以外の方法で意思を示すようになりますので、赤ちゃんの意思をくみ取ってあげましょう。
「英語耳」を育てるんだ!と強引に聞かせると英語を聞きたがらなくなります。英語に対して嫌悪感を抱かれてしまうと、将来の英語の学習にも影響が出てしまうことがあります。
英語耳を育てるには、時間がかかります。「毎日継続すること」は大切ですが、長時間の聞き流しは逆効果になる場合もあります。一日中英語の聞き流しをさせるといった極端な学習はよくありません。
子どもの様子をよく観察してストレスを感じさせず、親子で一緒に楽しみながら学習を継続していくのがポイントです。
英語の聞き流しの効果的な方法は?
◎ふだんの暮らしに取り入れる
0歳から2歳くらいまでは、子どもは大人の選ぶものを受動的に受け入れるだけの時期です。
この時期は、英語の歌や絵本の読み聞かせのCDを聞かせたり、英語のアニメなどのDVDやYoutube動画を見せたりして、ふだんの生活の中に自然に英語のヒアリングを取り入れていくようにしましょう。
毎日続けて、英語の耳をつくるには英語を聞くのを習慣化することが大切です。
日々少しずつでもよいので、スキマ時間を上手く使って頻繁に聞かせるようにしてください。
なかなか時間を作れないという方も多いと思いますが、食事のしたくをしている間、昼寝の前、車で移動の時など、少しずつ積み重ねることで、全体としてかなり長い時間英語に触れることができます。
◎繰り返すのが大切
多くの種類のものを用意する必要はありません。「くり返し」が子供にとって最高の学習方法です。
歌であれば、10~20曲ほどのプレイリストを繰り返すのが良いでしょう。
そして、毎日欠かさず続けるのを目指してください。
◎音量は小さくてOK
音量としては、英語の存在を意識させないくらいのBGMほどの小さな音量で流すくらいの方が、右脳は発達します。
かけ流しの間、意識して静かに過ごす必要もありません。意識を向けてなくてもインプットされていきます。
◎日本語習得も忘れずに
この時期は、母国語の日本語の習得においても大切な時期です。
絵本の読み聞かせをしたり、日本語の歌を歌ったりして、日本語をしっかり教えてあげるようにしましょう。
◎聞き流すだけでは不十分
ただし、聞き流すだけでは英語の学習としては十分ではありません。
聞き流しには、脳の刺激としての働きの効果も期待できますが、ただ聞き流しだけではなく、赤ちゃんと一緒にコミュニケーションをとったり、歌を歌ってあげたり、親子でリズムに合わせて体を動かしたりすることで更に効果が期待できます。
お座りができるようになったら、手遊び歌を一緒にして遊んであげてください。赤ちゃんとの愛着関係も育まれますし、手を使いながら英語を発することで記憶への定着もはかれます。
聞き流しにおすすめの音源は?
マザーグースやナーサリーライムがおすすめ
英語には独特の英語のリズムがあります。
英語の特徴である韻を踏んだリズミカルなライム(rhyme)は、単語を構成する音を聞き分ける耳を鍛えてくれます。
のちの英語学習の土台にもなりますので、ライムが含まれているマザーグースやナーサリーライム(Nursery Rhymes) と呼ばれる童謡を通して英語のリズムを身につけていきましょう。
そのほかに、「歌ってダンスをして」というノリのいい英語の歌が大好き!という子どもも多くいます。くり返しが多く、マネしやすいう歌なら何度もくり返し聞きたがるかもしれません。
おすすめYoutube動画チャンネル10選
Youtubeは無料で気楽に利用できます。おすすめのYoutube動画チャンネルをご紹介いたします。
赤ちゃんが興味を持ったり、喜んだりする英語のチャンネルを見つけたら、毎日聴かせてあげましょう。なるべく一緒に動画を見てあげて、親子で楽しんで一緒に歌ったり、手遊び歌やダンスをしたりして英語に触れる機会を作っていってくださいね。
1.Nursery Rhyme Street
「Nursery Rhyme Street」は、人気の童謡、マザーグースの歌から一般的な手あそび歌などがメインとなっているアメリカのチャンネルです。どちらかというと、早いアクションが少ない目なので赤ちゃんにも向いていると思います。
2.Mother Goose Club
「Mother Goose Club」は、アメリカの幼児向け教育系チャンネルです。
6つのキャラクターのキャストが定番の童謡や最近の曲まで、ネイティブの子供たちが踊りながらリズムに合わせて歌います。
色鮮やかな映像で手遊びやアクティビティーの実写動画がたくさんあります。
「Mother Goose Club」は複数のチャンネルがあります。
「Mother Goose Club Kids Toons」は、Mother Goose Clubのキャラクターを実写ではなく可愛いアニメーションにしたものです。実写よりも、こちらに反応する子にはこのチャンネルを見せてあげましょう。
3.Little Baby Bum
「Little Baby Bum」は、古典的な童謡と新しい童謡をメインとしていて、数十億回再生されている動画も多数あります。Youtubeチャンネルで数々の賞を受賞しているイギリスのチャンネルです。
基本の童謡は曲がアレンジされていないので聞きやすく、オリジナルの歌も多くあります。フォニックスも学ぶことができます。
主人公のミアは6歳の女の子、彼女の家族と歌って踊れるCGの動物たちやバスの世界観が人気です。映像も、海外っぽいカラフルさのとても可愛い絵柄です。1時間程度ある動画が多いので、再生する手間があまりかからずに済むのもありがたいところです。
ご紹介するのは、こちらのチャンネルで最も視聴された人気の「バスの歌」です。
「Little Baby Bum」は、幼児英語教材のDVDや絵本も販売されています。
4.Cocomelon
「Cocomelon」は、英語の童謡やその替え歌、マザーグースなどがメインとなっていて、カラフルなCGイラストでデザインされた赤ちゃんとその家族友人、動物たちが登場するアメリカのチャンネルです。
チャンネル登録者数 が1.37億人にも及び、動画数、曲数がとにかく豊富にあります。動画内の歌は、Cocomelonのキャラクターたちの声で歌われていて、聞き取りやすいです。
乳幼児の生活に沿ったものが多く、あいさつや色・生活習慣などを有名な歌に乗せて教えてくれる動画がたくさんあります。色や数字、形などの知育の要素のある学習動画もあります。
5.Super Simple Songs
「Super Simple Songs」は、東京郊外の英会話スクールの動画チャンネルです。
教材としてそれまで広く使われていた子どもの歌のCDのほとんどが歌のテンポが速すぎたり、歌詞が難しすぎたりすることで、多くの小さな子供たちが関心を持てなくなってしまったことから、小さな子ども向けにテンポや菓子をシンプルにと製作したものです。
有名なマザーグースの童謡のほかにも、リズミカルな歌がたくさんアップされているので、歌や音楽を通して、楽しく自然にネイティブの発音を覚えられるのがいいですね。
「Super Simple Songs」は、CDやDVDも発売しています。
6.Pinkfong
韓国の子ども向け教育コンテンツの「Pinkfong」は、世界中の子ども達に大人気です。(日本では「ピンキッツ」のブランド名で展開し、日本語のチャンネルもあります。)
その中でも1番視聴回数が多い『Baby Shark』。キャッチーなビートとくり返しのメロディーは中毒性があるとも言われるほど。11言語による100以上のバージョンがあり、世界で何十億回も再生されています。
ご紹介するのは、ダンスのあるバージョンです。
「Pinkfong」は、童謡や童話、ダンスやフォニックス、数字や色などの知育系、工作(クラフト)、天気や曜日、クリスマスやハロウィーンなどの季節のイベントなど豊富な内容があります。
全体的にカラフル鮮やかな映像とノリのいい、にぎやかな音楽が特徴ですので、子ども達に大変人気があります。ただ、乳幼児にはまだ刺激が強いかもしれません。マザーグース系の動画なら、ゆっくりめのリズムですので、そうしたものから入ると良いでしょう。
「Pinkfong」は、幼児教育DVDが発売されています。
7.English Singsing
「English Singsing」は、カラフルな映像で見やすく、英語の歌や、ピノキオやピーターパンなどのお話、単語、フォニックス(英語のつづりと発音の勉強法)など、たくさんのコンテンツが揃っている韓国のチャンネルです。
海外の子どもたちが主人公になっていて、彼らが送る日常生活がストーリー形式のシリーズもあり、実際に日常会話で使用できる会話を学べるところも魅力です。
8.BABY BUS
「BABY BUS」は子供向きの学習アプリとして開発されました。そして可愛い双子のパンダがキャラクターの動画アニメとして世界中で人気となっている中国のチャンネルです。
原色系のカラフルな色がたくさん使われていて、メインのKiki(キキ)とMiuMiu(ミウミウ)のパンダのほかにも可愛いキャラクターが数多く登場します。
英語だけでなく、日本語のチャンネルもあり、モンテッソーリの教育理念に基づいた良質なコンテンツが作られています。色や数字、アルファベットといった知育系から親が子どもに教えたいしつけやマナーなども学べます。
「BABY BUS」は、幼児英語教材のDVDやグッズも販売されています。
9.Dave and Ava
「Dave and Ava」は、映像のレベルが高く、細部まで作りこまれた美しいアニメーション映像とポップな音楽で英語って楽しいなと思わせるアメリカのチャンネルです。
子犬の恰好をした男の子Daveと子猫の恰好をした Avaと彼らの友達である動物たちや多くの人々が登場します。
マザーグースやアルファベットや色や形の歌、フォニックスなど様々な動画があります。
10.Peppa Pig
英語の音に慣れてきたら、簡単なストーリーに触れてみてはいかがでしょう?
「Peppa Pig」は、日本ではまだそれほど有名ではありませんが英語圏では大人気の子ブタの女の子が主人公のイギリスのアニメです。イギリスでは「Peppa Pig」のテーマパークもあるほど人気があり、世界でも約180の国と地域で放送されています。
ペッパビッグの家族、お父さんの「ダディーピッグ」、お母さんの「マミーピッグ」、弟の「ジョージピッグ」がが主な登場人物で、ストーリーは、家族の日常を描いたほのぼのとした内容で、家族の日常会話を学ぶことができます。
50分動画になっていても、それぞれの1話は平均して5分くらいで起承転結するので、子どもの短い集中力にもぴったりです。とはいえ、ペッパビッグの視聴者層は2歳~5歳なので赤ちゃんはまだ内容が理解できないかもしれません。ですが、かわいい素朴なイラストとブタの鳴き声に興味を持ってくれると思います。
ストーリーのトピックとして、マナーについてや数や色などの知育的な内容のものもあります。
Peppa Pigは、CDやDVD、ぬいぐるみ、読み聞かせのできる絵本などのグッズも販売されています。